育児休業後の職務は、「現職」か「現職相当職」に復帰させるのが原則です。厚生労働省の指針では「原則として原職又は原職相当職に復帰させる」ように配慮することを求めています。
制度上で決まってることを覆すとか特に考えもしないので、そうですか~くらいなのですけど育児に関して規定などうんぬんかんぬんは、これは若い会社や経験ない場合には結構壁が高いだろうな、というのは経験則からわかります。
産休や育児休暇取った後にどうなるのかでいえば
・そのまま退職するケース
・育児休業から復帰するケース 時短社員
・育児休業から復帰するケース 産休前の現職相当職で復帰の場合
と3つあるのですけど、制度上どれを取るのも本人の意思なので強要ができないものです。
ちなみに育児休暇で1年くらい休んだ後に、結局そのまま退職するケースは自社内ではないですけど、そういう制度なのでまあそんなこともあるのでしょう。経験ないとなんかセコさが嫌気さしますけど。
逆に「現職相当職原則規定」から気合入れて、産休前の現職相当職で復帰したい言われた場合ですが、まあ非常に難しい話になっていきます。否定はしないのですけど、1年から1年以上休んでいるので案件やプロジェクトはゼロから入ったり、引き継いでしまってるので今更復帰されても困るなあ状態に後輩が迷惑したり。
ついでに頑なに在宅要求されても、権利だけ現職相当職で義務はパート以下の状態になるのでまあ致し方ないのですが、現実に即した話をせざるを得なくなります。そうこうしてるうちにヘルパンギーナとかで1週間、自分もかかってもう1週間お休みとかで周囲のヘイトを生むのがまあ多くの流れだと思っています。旦那の甲斐性がないのか、自分が踏ん張りすぎるのか、ご両親の力が弱いのか、子供への愛情がないのか、とにかく中途半端にしかならないのが十中八九見えてるのに頑張ろうとすると、非常に辛いことに不幸の連鎖を巻き起こすことになります。
そして急に切れたように「もう会社には頼りません、退職します」と連絡取れなくなるところまで経験すると、「だから言ったのに」と思いながら残務処理に追われるわけです。
職務上の地位、職務の場所、職務内容、を与えることはできますが、産後1年とかで同様にできるほど仕事にコミットできる社員さんはできるのでしょうけど、ふと「そこまで仕事に関わるよりかわいいベイビーに時間作ってあげないと」と思うのが多いように思いますし、それでいいとも思っています。まあ過ぎた経験なので書けますが、失敗という名のデータを取れないと今のようなスタイルは難しいと思います。
子どもに感染すると困るので在宅にさせてください、言われても、じゃ電車乗ってきている社員はバイキン空間での危険性を耐えてきてるのか?という感じも否めないし、あたしと子供たち家庭を大事にしなさいよ、感で主張されるとまあ難しいことが多くなったりもします。このへんは最初から着地点も推測もできるのでなるべく布石を打っておきながら、いい着地点を見出すのも大事で「会社や社員なんて知らない、あたしを守らないなら労基に言うわよ」など高々なご主張を受けることも経営では大事です。
保育園の在職証明が欲しかっただけ、ケースもあるのでその辺含めて話し合いが必要だったりと、専門家も交えるのがよかったりもします。
コールバーグの道徳性発達理論から、人の道徳的判断が「罰の回避・自己利益」「社会規範の遵守」「普遍的倫理」という3つのレベル(水準)と6つの段階を経て発達するという理論がありますが、出産育児を経ると不合理な状況下でずっと過ごすので、道徳的判断は一気に低下するのが通常と思うので、まあ難しいケースに進むぞがあたりまえ。女性の感情や境遇に寄り添わないのは法律違反、性暴力とか言われたりするので、致し方ないのです。