人材採用に関するレベルの差に関して【採用向け】
採用・求人・リクルート向けの記事です。新卒や専門学校で業務などでよく聞かれる質問に「デザイン業務は分担制ですか?」があります。質問の意図で言えば、もくもくと家でリモートワークでデザインお仕事やりたい憧れあるんだろうなとわかるのですが、まあ分担した方が強みを活かすになるから分担しているのですけど、という話です。
技術だけなら10倍
じゃ次にデザイン業務だけを行えばいいのですが、先輩などと新人が同じ立場になるためレベルの差異があって、そのレベルの差異はどのくらいあると思いますか?
となにげに聞くと5倍、10倍など回答が来ますが、100倍~1000倍は違いますと答えます。これにはちゃんと理屈があって、そもそもの技術力は違うんで、技術力には判断力や調整力なども含むので少なくとも10倍くらいは違うと思っています。もちろん20代が20代向けのデザインを作る際にはその差というのは1.5倍など少ないものになるでしょうけど、そういう特化でない限り差異は技術力で大きくあります。
ビジネス素養で10倍
あとデザインといっても、顧客であるクライアントがあってのデザインでクライアントワークになる以上、クライアント理解が必要であったり業界知識やライバル社理解、強みに弱みや担当の意図把握など背景事情知ってないと、作業でのクオリティが上がらないどころか下げてしまうことも多々あったりします。そうなると、背景事情理解や、さらにデザインで楽しませて、成果によって満足感と「そんな風に攻めるのか、面白いね」というサプライズなども行う点を意識すれば仕事の質は相当高くなくてはいけないことになります。目指すところはここですが、これはこれで時間がやはりかかります。ビジネス素養に近いのですが、これも10倍以上は違います。
チーム慣れで10倍
ついでにどの会社でもどの組織でも、その中での美徳や価値があるためにその理解も必須になります。
それはいいデザイン作りというよりも、作業フローの内容にあるもので、
・組むことややこしいというデザインは、コーダー側依頼で変更可能、または許さない
・WFはあくまで参考にしつつ、自由度高くてOK
・あえての捨て案つくりは結構妥協して作る
・ミドルなんて2、3ページでほぼOK などの顧客や社内での関係で左右されますが、そのあたりが慣れないと工数だけ加算してしまうことも多々あります。
デザインできる人でもこのへんで違和感感じると、妙に手が遅くなったり不快感を抱えて質が悪くなることもたまに見ます。
たとえれば、タクシー免許持てばどこでもタクシーの仕事できますが、和歌山や大阪に住んでる人が東京23区タクシーすると道を知らないので、相当ミスも出ますし大回りしてお客さんに怒られるし、稼ぎもよくならないでしょう。さらにナビなしスマホなしでマップルだけで東京をタクシー走る業務を行うようなもので、最終的には頭に道を叩きこむ作業が必要になります。あの方向に東京タワー見えるからここからは後20分かな、程度の走る熟練度も大事です。
会社組織やチームに古くからいて慣れていることだけでも10倍近くの差異があったりします。
たとえ話ですが、企業ロゴをどこに置くのかという問題では通常左上がセオリーです。これは指示なくとも当然で進めますが、かの有名な帝国ホテルさんは20年くらい定点観測してますけど真ん中に置いてます。
https://www.imperialhotel.co.jp/osaka
なので宿泊関係やホテルなどで何気にロゴを真ん中に置いて、顧客に「帝国ホテルさんをリスペクトしました」など言った時の複雑な感情を読み解けるのか否か、は仕事で大事な部分だったりします。もちろん社内で修正指示入れますが、チームに慣れてないとこういう発想が出てくる危険性があるわけです。(決して真ん中に置く行為を否定してないのであしからず)
顧客側からすれば
・帝国ホテルさんと同等とかレベルが違うのだが・・
・宿泊ユーザも違うのだが・・ 地域も違うぞ・・ ライバル視するレベルじゃないぞ・・
・そもそもセンターはよいのか?数字は?エビデンスは?ただの真似?クリエイターはそれでいいのか?
・この担当は大丈夫なのか?そもそも組織的に大丈夫か?
など通常ビジネス一般人が思考するものを、一気に吹き飛ばしてることに大いなる違和感を感じざるを得なくて、等があるわけです。もちろんビジネスの成功をゴールとした際にロゴ位置が影響を与えるか把握しずらいですが、そのチャレンジから招く推測と不安感と誤解は、引き起こすと元に戻すには相当時間がかかるので「やめなさい」で一刀両断、がベストと思うわけです。こういうのはよくありがちですし、多岐にわたります。
合計で1000倍以上
10倍×10倍×10倍 で1000倍、みたいな計算でできる数字と思っており、目に見える部分と見えない部分も考慮すればさらに数字の差異が出ると思います。その人がいてくれるからの安心感や下への影響力、顧客からの信頼もあったりや実際の営業でも信用性獲得に活きることもそうです。デザインの持つキラキラ度合いは魅力ですし、専門学校はその魅力で引き寄せて学費をもらう以上そのままデザイナーとして活躍するのが最も期待することですが、現実問題で言えばなかなか難しいのも事実です。新人とベテランの力の差異が1000倍、なら新卒や専門学校生は雇えないのが結論ですし、ベテランは今までの苦労した道を下にさせたいとは思わないし、今の時代にあってないと思うのが通常なので、綺麗なことは裏にある新人が成長しない事実は見ようとしません。けど苦労もしないで技術職が成長するはずないし、大谷翔平さんなんて練習の虫だからあの結果になっているわけで。
結局そうなってくると、絶対に採用できないんです。
大阪芸大や多摩美などの専門美大卒の場合
大阪芸大や多摩美などの専門美大卒の場合、小中高校から描いてる人も多く研がれているのでやはり、センスが違います。サッカーなんかでもボール1回蹴るだけで、ランニングするだけで姿勢や視野、肉のつき方などわかるので、鍛錬度合いが違うからそれは見抜けますので、デザインも同じようなものだったりします。過去たくさんの方とお会いしたりインターンやったりしてますが、違いはわかりますし、対話を少しするだけで違いが見えます。もちろんポートフォリオも違えば、ビジネス寄りの思考も違ったりします。
まぶしいキラキラ
法学部行って司法試験勉強して不合格だった身分からすれば、刑事弁護や民事弁護など憧れますが、裁判でない書類作成業務もあれば打合せもあれば、弁護士も仕事は多岐に分かれます。デザイナーも目指すのは否定しないけど、複合業務の中で多岐に分かれる業務の中、ワイヤーフレームを1日100ページ作ってこれを半年やるだけでセオリーやルールが頭に叩き込まれるので、お家づくりと一緒で家の前に設計を覚えることに損はないと思います。当然顧客と対峙することも先輩の意見をきくことも全部学びであって、納期のタイトさや公開後の調整依頼が継続など、そういうデザインにおける理不尽さも感じないとあかんのでは、と思います。
クレアネットの優秀なデザイナーは上記のようなことができます。だから優秀なわけです。なので学校で学んだだけのまぶしいキラキラ山に関しては、採用できないんです。
あとデザイナーだけではしんどい
フリーのデザイナーさんでも、見積作成もあれば相談対応もあれば、飲み会もあれば営業活動もあったりしますし、ない人もいますがそれは一家の大黒柱ではないパターンか、身内から仕事もらってる等の生まれながらの恵まれたパターン。勝浦でもデザインだけをぺちぺちやってお金になるほど仕事ありません、プログラムもするしサーバも立てるのが普通なので、和歌山田辺でもデザインだけをやっている方はあまり見ません。
田舎で働きたいという前提ですが究極言えば
【1】デザインだけというのを諦めていろんな技術を高め、幅広く業務を行えるようにする
【2】ハイスペックデザイナーになって、顧客を作る
→ ただしこれには業界10年選手、20年選手相手に戦うので相当困難
どっちかしかありませんし、【2】目指すならまずは芸大に行くべきと思います。
凡人を理解したのなら
IT業界では、新卒を「総合職と技術職」で分けて採用してますが、技術は超すげえ奴ばかりですが、総合職は営業や企画やマーケなどまあいろんなとこに配属ですし、門戸が広かったりします。技術すげえのに総合職入って秀でる人もいますし、文系大卒なんてほぼ総合職ですから、変にデザイナーやりたいなどあまり思いません。何より「超すげえ奴いすぎて自分なんて価値ないよ」と井の中の蛙大海を知らず状態なるのがいいのだと思います。きっちり自分の力量と花開く場所を見極めれますのも仕事では大事なので、ビジネスで活躍できます。
凡人を理解することこそ、人間にとって大事なことのように思います。
あとは何でもトレードオフなので、全ては得れないですが1つは得れますので何の選択肢を持って判断するのかだけです。
・いずれは那智勝浦に帰りたい
・ビジネスとしての実力をつけたい
・デザインの実力だけつけたい
・20代のうちにはしっかり修行したい
・専門学校の勉強を活かしたい
・IT業界で仕事したい
だいたい上記くらいに集約されるので、全部無理でも優先順位付けは大事と思います。あと、
・いいお給料が欲しい、土日祝休みが欲しい、残業したくない、在宅したい
このへん福利厚生ばかりの話は控えるほうが無難とは思いますし、掘り下げるのも控えたほうが本当の狙いが見え隠れして、採用側はあまり好みません。
採用現場では相当に猫をかぶるのでここまで本音で語りずらいからこそ、実習やインターンなどがあればその場でざっくばらんに言える内容も多々あるのでやりやすいわけです。そして社員の立場になったことある人は、面談で時短とか在宅とか休日ばっかりいう人の危険さは十分共有されているので、やりやすさもあります。無能な子にお金だけ与えるのはただの寄付行為で、経営ではないんで誰もはハッピーになりません。
そういえば大谷翔平選手が日ハム決まった時に、二刀流もOK、いずれメジャーもOK、けど今は若いし日ハムで頑張ったらどうという資料を数字や傾向など分析して提示した結果、日ハムで力をつけ今に至っている話を聞くと、大人のエゴに見えるかもしれないことも子供やまだ20歳くらいの成人ではわからない要素も多々あるから、話をすることは大事なんだろうと感じます。40歳過ぎたら無理でしょうけど。