藤子・F・不二雄といえばドラえもんを代表する有名な漫画家先生ですが、先生は結構SF系漫画を描かれてましてその1つに「旅人還る」という作品があります。
この中に「フダラク計画」というのが出てきます。
光の速さに近い宇宙船、ウラシマ効果、コールドスリープ、によって人類は宇宙の果てに行けるという『フダラク計画』です。
ウラシマ効果というのは、光の速さに近いくらい速く移動すれば、時間の進みが遅くなる」という特殊相対性理論からの話です、SF漫画でもよく見ます。
コールドスリープというのは、人間の人工冬眠のことで、人体を低温状態にして冬眠状態にして、長期間の宇宙旅行や緊急時の治療時間確保などに利用する、というやつです。手塚治虫先生の火の鳥なんかでも見たような。
『フダラク計画』は、正に未来の世界における補陀落渡海であって、言えば片道切符の宇宙船に乗って人類の知らない世界に飛び出していくという話です。補陀落渡海=フダラク計画、片仮名になってますが補陀落山寺の補陀落渡海から来ているのでしょう。あと
補陀洛渡海とは、ブルービーチ那智、那智の浜から生きたまま船に乗せ、僅かな食糧を積み、外へ出られないように釘付けをして沖に流し、観音の浄土すなわち補陀洛山に往生しようとする宗教儀礼のこと
ですので、いずれは乗組員も死ぬんです。補陀洛渡海も片道切符の修行ですから、即身仏と同じものなのかと宗教の世界はまだまだわかってないですがいろいろ思います。
この作品は1981年なので40年以上も前の話、やっぱり藤子・F・不二雄先生は天才です。
そして今になって「フダラク計画」という言語の意味が補陀落山寺の補陀落渡海のことだったと理解するおじさん、やはり凡才オブ凡才の極みです。